田植えじゃー

私は一介のサラリーマンである。

元々は、自営業の家庭で育った。
子供の頃は、「将来自分は親のように銀行に金を借りて、返し続ける商売は嫌だ」と常々感じていた。

夢が実現し、父の仕事を兄に任せ、サラリーマンになったまでは計算どおりだった。

その私が、なぜか「田植え」をしている・・・
妻が農家の長女というのが理由だ。

朝早く嫁の実家へ行き、長靴・作業着に着替え軽トラに乗り込む。
苗のハウスへ行き、荷台に苗のパレッドを積み、1キロ先の田んぼまで運ぶ。
これを10往復繰り返す。

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20代の頃はこれが苦痛でたまらなかった。
あれから時が流れ、私も40代に突入。
考え方が変わってきた。

最近、仕事に日々追われる日常に疲れている。
今の不景気も確かなのだが・・・


空は青空に白い雲。
田んぼではカエルのかわいい泣き声が絶えず聞こえ、林では小鳥達が囀りあっている。
「なんて和むのだ~」私は心の底からそう感じるのだ。

お母さん、お父さんには感謝され、食事は私の好きなカツ丼を用意してくれ、帰る際、40にもなるのにお母さんから1万円を頂いた。
「お母さん、こんなことされたら妻に怒られます。結構です。」と、心にも無い言葉をいう。
「そんなこというなよ」とおっかさん。
「そうですか?じゃ子供達にこれで何か旨い物でも食べさせます。」と自分。

私の給与は、口座に振り込まれるのだが、私は印鑑・通帳・カードを持たされていない。
(なんて信用がないんだ)
そんな自分は、妻から自由になるお金を持たされることは年に2,3回だ・・・

この1万円を貰ったことは家族には内緒だ。特に妻には・・・と心に誓う自分。

まぁ、とにかく田植えが終わってよかった、よかった。

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